ニューシングル「BA-BY」(読み:バービー)をリリースしたASP。5月のツアー初日から新メンバー、イコ・ムゲンノカナタが加入し、7月下旬からは活動休止中だったナ前ナ以も復帰。昨年には日本武道館でのライブも経験し、新体制でのツアーも終えた彼女たちに、ここまでの変化のこと、ここから進む道のことなど、いろいろとお聞きしました!
日本武道館ライブを経て、変わったのはどんなこと?
──ASPの皆さんに「avex portal」で取材させていただくのは、昨年10月以来になります。メジャー1stアルバム『Terminal Disease of ASP』の時ですね。
マチルダー・ツインズ そんな前!
ユメカ・ナウカナ? そんなになるか! あ、そうだ、(衣装に)イボイボついてたもん。
──そういう記憶の仕方ですか(笑)。なので、その間に新メンバーのイコ・ムゲンノカナタさんが加入されて、一時お休みされていたナ前ナ以さんも今回復帰と。そのお話も後ほど伺いますが……本当に今さらですが、昨年10月8日の日本武道館公演、お疲れ様でした!
全員 ありがとうございます!
──もうかなり時間が経ってしまっているので、感想というよりも、そこから何が変わったかというのを教えていただけますか?
マチルダー 武道館は本当に、今でも思い出しちゃうぐらいASPにとって大切なライブになったなと思っていて。武道館に立つまでは47都道府県のライブハウスをずっと回ってて、ライブハウスでのライブをずっとやってたんですけど、武道館っていう、またライブハウスとは違った場所でライブをすることによって、距離感とかは全然違うけど、熱量は変わらないんだなっていうのを私はすごく感じました。場所とかじゃなくて、本当にならず者(ASPのファンネーム)がいてくれる場所ならどこでも熱くなれるっていう確信があるので、この先ライブハウスじゃなくても、これまで作り上げてきた熱量のライブを、これからも一緒にやっていきたいなって思いました。
ウォンカー・ツインズ 武道館をやる前までの自分は、大きい場所でやる時はすごく緊張しちゃってて、ライブ中とかも「うまくできてるかな?」みたいな不安とかがあったんです。でも武道館に立って、大きい場所でも楽しめる自分がいたっていうことをすごく知って、それからは少し自信に繋がったのかなと思って。大きい場所でも自分は楽しめるし、だからこそ、大きい場所でもっとライブをやりたいなっていう気持ちがすごく芽生えた1日になりました。
リオンタウン 武道館はリミックスでやらせてもらったり、演出も後ろのスクリーンを使ったり、ステージに坂があったり、そういう新しいものに挑戦させてもらって、ライブ中もワクワクしたし、あとから映像を見返してもすごくカッコいいなってすごく思いました。「こんなことさせてもらえるんだ」っていうのを思ったのと同時に、これからのライブも「もっとこうしたい」「もっとカッコよくしたい」という欲が自分から出てくるようになったのが、一番変わったことかなと思いました。
ナ前ナ以 私たちはインディーズの時からいろんな会場とかを回ってて、ジャンプのマンガじゃないけど、この5年間、いろんな人と関わって、いろんな人に協力していただいての、本当に集大成としての武道館だったと思うので、その5年間でいろんな人が仲間、チームになっていったらあんなにすごいライブができるということを知れたのが、この5年間での変化なんじゃないかなと思いました。これからもASPに力を貸してくださる人たちがいてくれるような活動をしていきたいなと思ってます。
チッチチチーチーチー 武道館の日だけのために曲をRemixしてくださった方がいたりとか、今までミュージックビデオを作ってくださっていた方々が武道館で映像演出してくださっていたりとか、本当にたくさんの方がASPに力を貸してくださった武道館だったなと思いました。武道館でやるって決まった時は、いろんな人の武道館ライブの映像を調べて見たりとかして、「自分たちに当てはまるものって何だろう」と探してたんですけど、でも本当にこれだけ協力してくれる方々がいて、ASP自身もこれだけ積み重ねてきたものがあったし、その前に47都道府県ツアーっていう、武道館に立つ前にやるのは珍しいんじゃないかなって思うこともさせてもらいました。そういうのも全て含めて、ASPにしかできないようなライブだったんだなっていうことに改めて気づいて、すごくたくさんの人の力もあって、今までにない武道館だったんじゃないかなっていうことが、自分たちにとっても自分自身にとっても自信にも繋がったので、そこは気持ちの変化だったなって思います。
モグ・ライアン 私は小さい頃から親と武道館にライブを見に行ったりとかしてて、武道館って「身近だけどすごく遠いもの」みたいな存在だったので、今でもたまに車で近くを通ったりすると「私、本当に武道館に立ったんだよな」みたいな気持ちになるんですよ。だからASPとしても自分としても、武道館に立ったっていうことが、ものすごく人生の中で一番自信になった時間だったなって思います。そのステージで、メンバーとかASPチームのスタッフさんたちのおかげで本当に楽しくライブできたことが、自分の中でも本当にうれしくて、改めて、自分はこんな楽しい気持ちで歌とかダンスをできるんだなっていうのをすごく知れた機会なので、一番自信がパッと変わった瞬間だなって思います。
ユメカ ライブをする1年前ぐらいから発表をさせていただいて、その年は「武道館のために」って言ってすごく駆け抜けてきた1年になったので、だからそこはもう発表した瞬間からお客さんとの絆みたいなものを感じながら回らせていただいたツアーでした。もう発表した瞬間から、自分のことのように喜んでくれてる人もたくさんいたし、でもそれだけじゃなくてツアーを回ってる最中に一緒に一つのストーリーに参加してくれた人だったりとかもいて、ツアーを回ってる最中からすごくたくさんの愛を感じてました。そこから武道館を作るにあたっても、照明さんだったりとか、映像の方々だったりとかも、ASPにすごく愛を持ってやってくれていて。だから、そういう一つ一つの愛の塊が1つになった日っていうのをすごく感じたなって思ってるんですね。それって、すごいことで。あの会場全体が、ASPに愛がある空間だったから、パワーをすごく感じました。武道館に向けたツアーのタイトル、「MARCH with ROGUES to BUDOKAN」……「ならず者と歩いていく」というのとか、武道館のタイトル「The floor is all ours!!」……「フロア全部私たちのもの!!」っていうのもすごく感じられて、あの場所を1日だけ私たちの空間、ASPのものにできたんじゃないかなって実感しています。
ASPはああいう大きな会場に今まで立ったことがなかったけど、そうやって私たちのものにできるんだなっていうのをすごく実感して、「私たちの今の最大限で戦ったらこれだけのことができるんだ」って自信に繋がったし、ライブが終わった後、みんなもすごくいい顔をしていて、本当に「いい日になったな」「本当にすごい日になったな」って、すごく思います。ライブに関わった人たちには今でもたびたびそう言っていただけるし、私たちもそう思える日になったし、ASPの中でこれからもずっと大事にされる日になったなと思います。
──イコさんは当時まだ加入前でしたが、その日は?
イコ・ムゲンノカナタ 武道館に見に行かせていただいてました。その時はASPに入ることになるなんて全然思ってなくて、単に事務所の先輩として見ていて、めちゃくちゃカッコいいなと思って。「うわー、すごい!」って見てました。
新メンバー・イコ加入! ナ前ナ以復帰!そして「BA-BY」リリース!
──そのイコさんは卵からかえって(笑)5月に新メンバーとして加入されたわけですが、約4ヵ月経過して、どう感じていますか?
イコ 自分でも「まだ4ヵ月か!」って思えるぐらい、すごく受け入れてもらってる感じがします。今までは「自分の意見をはあるけど言わない」みたいな性格だったんですけど、加入する時に「調子乗ってるって思われるぐらい、自分の意見をメッチャ言うようにしよう」と思ったんです。どんどんガツガツさせてもらいながら、みんなも受け入れてくれて、すごいのびのびさせてもらってます。
──「調子乗ってんじゃないわよ!」って言われてませんか?(笑)
イコ 大丈夫です。
ナ前 思ってます。(全員爆笑)
ユメカ いなかったのに?(笑)
ナ前 (イコに)ウソウソ、大丈夫だよ(笑)。
──4ヵ月、一緒に過ごしてきた先輩たちはどう感じてるんですか?
チーチー イコが入ってきてくれて、できることがメッチャ増えたなと思ってるし、今までASPにいなかったタイプのギャルだから、新しい風っていう感じになってますね。好きなもの、好きなこともみんなと全然違うし、新しい文化みたいなのを教えてくれたし。最初はやっぱり緊張してたんですけど、だんだんおしゃべりになっていくところが、「ああ、ASPに馴染んでくれてるのかな」って思うとすごくうれしかったし、練習してても、ちゃんと自分が思ってることを言ってくれるんですよね。それに、「ここを直してきてね」って言ったら次の日には完璧になってるっていうのがもう衝撃的で。やっぱり夢をまだ持っててWACKに残ったっていうのが強くあるから、ASPへの気持ちも強いんだろうなと思って、すごくうれしかったです。「このタイミングで入ってきてくれてありがとう」っていう気持ちですね。
──TikTokの動画を見ていると、イコさんとチーチーさんの身長差を強調したものとかもありましたよね。ユメカさんとしては「私の身長抜かすんじゃないわよ!」みたいな?(笑)
ユメカ いやいやいや!(笑) やっぱりASPのツインタワーとしてやっていけたらなと思ってたんですけど……やっぱりイコはあとからできた「スカイツリー感」というか、何か近未来な感じのカッコよさが出ちゃってるんですよ! 私は東京タワーみたいな渋さがあるというか(笑)。だからお互いいい味を出してやっていけたらなって思ってます(笑)。
ナ前 「東京タワー」はうまい!
ユメカ そう、渋さ出していこうかと思って(笑)。
──そして、先ほどから鋭いツッコミが入ってますが(笑)……新メンバーも加入したところに、ナ前ナ以さんが戻ってきて。こういう状況のところに戻ってきて、どうですか?
ナ前 はじめ、活動をちょっとストップしようって思ったのは、ASPにいたいから、1回ストップしようって思ったんですね。悪い捉え方をされる方もいるかもしれないんですけど、でもそこでお休みした期間が、自分の人生をうまくコントロールできるヒントとかを得られる期間になって、(ガッツポーズやギャルポーズをして)「最強!」みたいな(笑)。
──最強になりましたか(笑)。
ナ前 はじめはもう「ガビーン……」みたいな感じだったんですけど、「最強かも!」ってなって戻ってきました(笑)。私がお休みする前のASPは、いい意味でも悪い意味でも、みんな優しいから私の意見に賛同してくれて、みんなの本当の意見が分からない時とかもあったんですね。でもそれはたぶん私のせいで……私が「ASPのお局」? お局担当だったから、みんな私のことが怖かったからそうしてたんですよ。
ユメカ いやいや(笑)。
ナ前 でもいざ復帰してみたら、さっきチーちゃんも言ってたけど、けっこうみんなが意見とかを言い合える関係性みたいなものがすごく築けてたんですね。私はもう「HP:0」みたいな感じで……さっきは「最強」って言ったんですけど(笑)……何もできない状況で戻ってきたので、みんなもいっぱい教えてくれたりとかして、何なら調子乗ってるイコも、「ここ違うよ!」って指摘してくれるんですね。でもそれが、自分でドMなんじゃないかなって思うぐらい、本当にうれしくて。「気持ちいい!」「みんなが私に意見言ってくれてる! うれしい!」みたいな(笑)。だからこういう今のASPの関係性が、すごくVery Goodって感じです。
──急に「お局」を名乗ったり「東京タワー」になったひとがいたりと、いろんな人がいますね(笑)。でも今の一連のお話を聞いて、この8人体勢でうまくいってるんだなというのが、すごく伝わってきました(笑)。で、そんな中でニューシングルが出たわけですが……「BA-BY」というタイトルで「ベイビー」なのかと思いきや……
ユメカ そうですね。「BABY」だったら、普通は「ベイビー」ですね。でも「バービー」なんです。
──作家陣がYohji IgarashiさんとPecoriさんで、すごくASPらしくもある楽曲になっているし、でもすごい展開が多くて難しそうだし……という感じで、「また何かすごい楽曲が来たな」という1曲ですが、最初に触れた時はどう感じましたか?
リオン 攻撃力が高い感じがASPらしいなと思ったし、今までにもそういう力強い曲とかあったけど、でもこの曲はそれプラス、「女の子らしさ」「ガールズ感」みたいなところが強いのが特徴的だなって思いました。ラップパートとかもカッコいいなって思ったし、サビは特に、聴いてて心に響くものがあるようなメロディーで、この曲を歌えるのがすごくうれしいなって思えました。
──序盤の、英語風に歌う部分が印象的でしたが、あの部分はそういうディレクションだったんですか?
ナ前 Pecoriさんのディレクションが「レッツゴー!」だもんね(笑)。
モグ 確かに(笑)。
マチルダー バイブスはそっち系でした。
ウォンカー そもそもいただいたデモ音源が「レッツゴー」だったし。
マチルダー Pecoriさんの「レッツゴー」に合わせて、私たちもレッツゴーしにいきました。
──自然とそうなったと(笑)。
モグ Pecoriさんにたくさん楽曲をいただいていて、デモとかを聴いても「確かに毎回、こんな感じで歌ってるよな」みたいなのが、だんだん分かるようになってきて、それをみんな忠実に再現した感じです。
──この曲の歌詞は、より広い世界に飛び出す意気込みに加えて、まだちょっとやっぱり不安もある、みたいな印象を受けました。100%イケイケではないけど、それでも行くぜ、みたいな。この歌詞に関してはどんな印象でしょうか?
ユメカ 私も、初めて聴いた時から「サビがすごく開けてるな」という感じがしてて。サビ前まではちょっといびつな感じというか、入り混じってるイメージというか、まっすぐじゃない、ちょっとおどろおどろしい感じが気持ちいいイメージがあって。その感じの良さもありつつ、ASPって、今イチ見かけだけじゃ分からない、中に秘めてる思いみたいなものがあるなってすごく思ってるんですね。サビにすごくそれを感じるというか。見た目はスタイリッシュだし、人間性をあまり感じないのがASPのスタイリングのカッコよさみたいなところはあるけど、このサビでけっこう人間味があるというか、「強気でいるけど、本当に届いてるのかな? でも私たちは歌っていく」みたいな感じがすごく好きでしたね。
──これが8人体制での第1弾シングルになるわけですが、イコさんはこの曲をどう感じていますか?
イコ 曲をもらった時に、「ああ、ASPの曲がキタ!」って思って。やっとそこに自分の声が入るというか、こういうASPっぽい曲が歌えることが、すごくうれしかったです。もともと、ASPの曲がメッチャ好きで聴いてたので。
──レコーディングはどうでしたか?
イコ そんなに、思ったより緊張しなかったですね。
ユメカ 強い!
リオン 楽しそうだった。
イコ そう、確かにずっと「楽しい!」と思いながら歌ってました。早く歌いたかったので。
──おお。他の皆さんの初レコーディングとは、だいぶ違う感じですか?
ウォンカー ケタ違いです(笑)。
ナ前 イコはレコーディング中、ずっと寿司握ってるよ。
ユメカ そうだ! ずっとシャリをこうやって(手の中でシャリを転がすようなジェスチャーをまねる)やってたよね(笑)。
ナ前 リズムを取る時に、こうやって(板前が両手で寿司を握る動作)やってるよね(笑)。
イコ 無意識にやってるみたいです(笑)。
ウォンカー 職人だ(笑)。
ナ前 寿司職人(笑)。
体を張りまくったMV撮影! メンバーとバンジーの因縁とは?
──この曲のMVはどんな感じですか?
ユメカ 今の(この取材の)段階では、まだ仮編集も見てない状態で。ただ、撮影は「体を張りまくれ!」という感じでした(笑)。何をやったっけ?
マチルダー ゴムパッチン!
イコ 鼻フック!
モグ 水風呂!
ウォンカー 回転イス!
ユメカ そしてバンジージャンプ。
──それは体を張ってますね(笑)。
ユメカ 本当に! ナ前ナ以が参加してないんですよ!
ナ前 今回、この「BA-BY」には私の声は入ってないんですけど、バンジー飛ばなくてよくて、よかったー!(笑)
ユメカ マジで!!!
ナ前 ウソウソ(笑)。
ユメカ バンジーが本当ヤバくて! ナ前ナ以とモグ以外の6人が飛んだんですけど、6人いるのに撮影時間が1時間しか取られてなくて、「ポンポン飛んでけ」みたいな感じだったんですよ! だからもう、もたつけないと思って。ビビれない。みんなそうだったよね。
マチルダー 覚悟決めて、すぐ飛びました。
イコ 逃げ道なかった。
ウォンカー みんな頑張ったよね。
ユメカ マチルダーとか、インストラクターの人に謎にブチギレてて。
マチルダー 「触んな!」って言ってました(笑)。
ユメカ インストラクターの人は優しいだけなんですよ。「大丈夫だよ、頑張ってね」「絶対気持ちいいから」みたいに言ってくれて背中を押してくれてるのに、「自分で飛ぶから! 触んな!」って(笑)。
マチルダー 「押さないで! やめて!」って(笑)。
ナ前 そういう時に本性出るからね(笑)。
ユメカ そう! 人間って、そういう究極の時に本当の人間性が出るので。マチルダーはやっぱ「裏ボス」だなっていう。
マチルダー でも、ちゃんとその後に仲直りしました。「あの時当たっちゃってごめんなさい」って。許してくれました(笑)。
ユメカ よかった! 謝ったんだ。
──モグさんは飛んでないんですね。
モグ お嬢様なので……すみません(笑)。でもみんなカッコよかったですよ。ユメカちゃんが一番最初に率先して飛んで、先に飛んだ人が「いけるよ! 大丈夫!」って励ましてて“スポ根ASP”みたいになってて(笑)。「ナイスファイトー!」とかって、バレー部みたいになってました。
──でもユメカさんって、飛ぶ時、メチャクチャうるさそうですね、単なるイメージですが(笑)。
モグ 声がメチャクチャこだましてたよ。
ユメカ ウソ!?
モグ “リアル山びこ”だったよ。
ユメカ でも、顔に思いっきり重力を感じて、声が出なくなっちゃうんですよ!
ウォンカー 確かに、ノドが閉まっちゃってた!
モグ いや、全部出てたよ。
ユメカ ホント!? 映像に使われてるかな? みんなカメラもつけて飛んだから、すごい顔になってると思います(笑)。(注:実際のMVでは飛んでいる時の声は分かりませんでしたが、ユメカさんなどの表情はしっかり出ていたので注目!)まあでも、けっこうしんどかったし、たぶん過激なMVになってると思います。
──ナ前ナ以さんはいつか飛ぶことはあるんですかね?
ナ前 私はもう経験者なので。
──そうだったんですね。それは仕事で?
ナ前 これホントに……ASPへの文句みたいなっちゃうんですけど、何かのイベントで、「ならず者が選んだメンバーと一緒にバンジーが飛べる」みたいな特典をなんか勝手に設定されて、それに選ばれちゃったんですよ。映像化もされず、同行のスタッフさんも1人だけで、別にどこかに載るわけでもない、ただのプライベート・バンジーみたいな感じでならず者と飛ばされたんです。
──それは(笑)。まあ、一緒に飛べたならず者の方はうれしかったでしょうけどね。
ナ前 一応、GoPro(※体などに装着できる小型カメラ)みたいなのは持たされたんですけど、別に映像が何かに使われるわけでもなく、ただの「思い出」みたいなことになって。
ユメカ せめて何か残してほしいよね!
ナ前 そのバンジーのところで毎月抽選があって、当たったら無料で飛べるっていうのがあったから、「ユメカ・ナウカナ?」って書いて応募しといたんですけど。
ユメカ (思わず立ち上がって)えっ、マジで!?
ナ前 一応ね。飛ばせようと思って。その時は結局当たらなかったんですけど、今回、伏線回収ってことで。
ユメカ そっから始まってたのかー、何かが! 怖っ!
たくさんの「挑戦」ができた5月からのツアーも完走!
──そういったモロモロも知った上でMVを見ると、またいろいろと面白そうですね(笑)。そして、カップリングが「Get New ミライ」。この曲はツアー初日、5月3日の大阪でライブ初披露されて、4日から配信が開始されたんですよね。「BA-BY」とは打って変わって、こちらはストレートな歌詞と歌唱になっていますが。ライブでの反響も含めて、どうですか?
チーチー この曲は、確かにストレートな曲だなと私も思ってて。サビも大きく手を上げられるように作ったりしてるので、だんだんお客さんの手が上がってきてるのもうれしいですね。ツアーでやってたんですけど、この曲はナ以ちゃんと一緒に録音したので「8人で歌って完成ですよ」っていうのを見せるために、ツアーではナ以ちゃんの声を流してたんです。お休みしてた期間、会ってたりも全然してなかったので、ライブハウスでナ以ちゃんの声を聞くとすごく安心するし、「8人なんだな」っていうのをそこで感じることができてたので、7人で新曲を披露するんじゃなくて、8人として歌えたことが、すごくいい機会だったなって思います。
──「BA-BY」は7人で、そしてこの「Get New ミライ」は8人でのレコーディングだったということですね。この曲のレコーディングについてはいかがでしたか?
ウォンカー 最初に、「この曲はとにかくエモく歌ってほしい」というアドバイスをいただいたので、「自分にとっての『エモ』って何なんだろうな?」というのを考えながら、歌いました。歌詞がすごく自分と重なる部分があったし、新体制ASP初めての楽曲なので、それでもうすでにエモいじゃないですか。それと、私が歌ってるパートで「毎晩夢見てただけじゃないよ」っていう歌詞があるんですけど、ASPに入る前の気持ちをすごく思い出させる歌詞なので、おのずと、意識しなくても感情が入る歌詞をいただけて、すごくレコーディングが楽しかったです。
──この曲はすでにリリックビデオが公開されていますが、その2曲が収録された今回のシングル、ジャケットがまたすごくいい感じですね。JACKSON kakiさんで。
マチルダー 大好きです! 以前、「Black Nails」の時にJACKSONさんにアー写とジャケットをディレクションしていただいた時から、またご一緒できたらとすごく考えていたので、こうやってジャケットを担当していただいて、作品としてまた作れたのがすごくうれしいですし、「BA-BY」という曲をこのジャケットですごく表現してるというか、一番体現してるなってすごく思ってて。かわいさと凶暴さの二面性がすごく詰まっているので、曲を聞いた後にこのジャケットも見てほしいなってすごく思います。
──この取材の時点ではツアー真っ最中で、公開時点ではツアーは終了してしまっているんですが、現時点までのツアーはどうですか?
ユメカ 今回のツアーからイコが入って新しくなったというだけじゃなくて、セットリストもガラッと変えてみているんですね。メジャーデビュー以降の楽曲でセットリストを組んでみたりしていて、こういう通常のライブでやったことがなかったリミックスに挑戦したり、あとこのツアーだけの振り付けを作ったりとか、いろいろやらせてもらった挑戦のツアーになりまして。初めは、今までライブの定番ではいっていた曲もいったんなしにして組んでみたセットリストだったので、反応がどうなるかなってシンプルに思ってたんです。みんなにとってはイコが入っただけでも衝撃的な状況で、そういうライブのスタイルも変化するということについてこれるかな?って思ってたんですけど、やっぱり初めは驚きが大きかったなという感じだったんですよね。でもどんどん回っていくうちに、新しいことをみんなと一緒に私たちの力に変えていくツアーにできたなと思っていて。それこそツアーの初日に、私は「変化を進化に変えるグループでいたいです」って言ったんですけど、本当にそんな感じで進んでこれたんじゃないかなって思います。やっぱり初めてやることって、どんな反応があるかとか、自分たちもそれをどうやり切れるかなっていう不安だったりとかもあるんですけど、それを越えた先に、自分たちのものにできる武器が増えると思っていて、実際、本当に新しいことを皆さんと作れて自信にも繋がったし、「自分たちはこういう風にも戦えるんだな」っていうのを見つけられたツアーになったなと思ってます。
──イコさんは初ツアー、どうですか?
イコ ユメカちゃんが言ってくれたように、やることも初めてだけど、会う人がみんながはじめましてで、最初は本当にすごく緊張したし、はじめましての人たちとおしゃべりするのもすごく緊張してたし、「受け入れてもらえてるのかな」みたいな不安もありました。でもこうやってツアーを回っていくたびに、お客さんたちとすごい仲良しになった気がして。まだまだ、もっともっと知ってもらいたいところもたくさんあるんですけど、たくさんの人に自分のことを知ってもらえたツアーだし、たくさんの人と仲良しになれたツアーだったなと思います。
──自分としては、パフォーマンスはうまくこなせてますか?
イコ あっ、うーん、はい、できてます。
──かなり迷いのありそうな答えでしたが(笑)。
ユメカ ウザがられないかなと思ったんでしょ?(笑) いいんだよ、ここまでウザがられてもいいと思ってやってきたんだろ?
イコ ハイ!
ユメカ いいんだよ! じゃあもっと言えよ!(笑)
イコ ハイ!
──怖い!(笑)
ユメカ お局感が出ちゃってんですよね!(笑)
ナ前 お局は2人もいらないから!(笑)
新体制のASP、どう進んでいきたい?
──今後、どちらが正式なお局となるのかは、お2人で話し合っていただいて(笑)。では最後になりますが、そういったモロモロも含めて、ここから8人でどう進んでいきたいかというのをいただけますか?
マチルダー ツアーが7人で始まって、8月15日のLINE CUBE SHIBUYAからは8人になって、また本当のスタートを切ることができました。このツアーでは進化をすごくいっぱいしてきて、この後もUKツアーがあって、ツアー中にはそれこそリミックスとかいろんな挑戦をやってきたけど、でもまだまだ挑戦は終わってないんだなってすごく思っているので、これからもいろんなことにトライしながら頑張っていきたいなって思ってます。
ウォンカー LINE CUBE SHIBUYAまでのツアーで、新体制になってリミックスを初め、いろんなことに挑戦してきて、自分の知らないASPと出会っていく感覚みたいなものがあって、「これもASP」って自分が思えるものの幅が広がったというか、「こういうASPがあるんだ」っていうのをすごく知れた期間だったので、本当にこれから再出発みたいな感じになると思うので、それがすごく私も楽しみですし、楽しみにしてくださってたらすごくうれしいなって思います。
リオン イコがASPに入ってくれた後も、ナ以ちゃんがお休みの間は7人でツアーを回っていて、ナ以ちゃんがいないからこそ考えたこととか、経験したこととかもすごくあって、それから今8人になって、その7人で経験したことを全部、ちゃんと力に変えていきたいなって思ったし、その8人で回るUKツアーとか、まだ想像できないものがたくさんあるんですよね。今はすごく楽しみな気持ちです。
イコ UKツアーだったりとか、いろんな挑戦がこの先にたくさんあるし、ASPを武道館で客席で見てた身としては、ライブハウスも似合うけど、大きい舞台がすごく似合うグループだなって思うんですよね。その中に入って、私自身も体が大きいので大きいステージが大好きなんですけど(全員:笑)、もっと大きな場所を目指しながら、楽しみながら頑張っていきたいなって思います。
ナ前 しばらくお休みしていて、今までの自分だったらマジ休むとかは本当に考えなかったけど、そういう選択をしてしまって、ちょっと申し訳ないなっていう気持ちもあるんですけど……長期的な目で見たときに「休んでよかったな」って思える。ような恩返しをメンバーにもチームにもしていきたいなって思うし、単純に、ASPをなくしたくないというか、ASPでいたいなって思いますね。まだやりたいこともたくさんあるし、やりたいことがあるメンバーのバックアップのためにも、戻ってきてよかったって思ってもらえるようになりたいです。
チーチー このツアーはさっきも話が出たように挑戦的なことが多かったし、LINE CUBE SHIBUYAにも初めて立ったりもあるんですけど、中の中までメンバーが関わってるなって思ってて。「こういうことをしたいです」とか、いろんな意見を言わせてもらえる環境になってるなってすごく思ってて、だから今は、いろんなことを想像するのがすごく楽しいんですよね。やっぱり1人メンバーが増えるだけでもできることがたくさん増えるし、見せ方もだいぶ変わってくるので、できることがたくさんあるだろうなと思ってて。やりたいこともたぶん増えてくるだろうなと思うので、もっと先の大きいステージを目指して、やりたいことだったり、実現させたいことだったりを、もっとみんなでたくさん言い合って、自分たちのやりたいことをすごく大きくしていけたらいいなって思います。
モグ ASPの活動もけっこう長くなってきて、思い返すと、このインタビューの中でも「挑戦」という言葉がすごくいっぱい出てきたんですけど、ASPって本当にいろんな挑戦をしてきて、そのたびにいっぱい立ち向かってきたなってすごく思って。楽曲が変わったりだとか、「こんなに早く野音に立つの?」って思ったし、武道館もそうだったし、そういうことに立ち向かってきただけあるなっていうのを最近すごく思ってるんですね。今回、大事なメンバーが1人欠けてもツアーをいいものにできたりだとか、1人1人がすごくちゃんと向き合って立ち向かってきたというのがあって、今イコが入ってきてくれて8人になった時に、みんながASPを大事にする気持ち、「まとまろう」と思う気持ちがすごく今、一緒になってきてるなって思うので、ここからが勝負だなっていう感じがしています。
ユメカ ASPって最初は4人で始まって、いつの間にかいっぱい仲間が増えて8人組になって、仲間が増える時って不安よりも、増えることで力になる、ASPがどんどん強くなっていくっていう感じが強いんですよね。本当にASPをここまでやってきて、想像してなかったんですよ。8人組になるなんて思ってなかったし、ライブのパフォーマンスとかもこういう風になると思ってなかったし。でもASPは、そういう想像してなかった未来も自分たちのものに変えていくグループだなってすごく思ってるので、私もすごくASPのこれからがどうなっていくのかなって楽しみだし、それを皆さんにもぜひ楽しんで、これからも一緒にいてもらいたいなって思ってます。
──この先が、さらに楽しみになりました。ありがとうございました!
撮影 沼田 学
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ライター
高崎計三
1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。