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【待望の1stアルバム発売記念】知られざる和楽器の世界からプライベートまで…イケメン和楽器集団「桜men」10人が語る!

【待望の1stアルバム発売記念】知られざる和楽器の世界からプライベートまで…イケメン和楽器集団「桜men」10人が語る!

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それぞれに多くの受賞歴や有名アーティストとの共演歴を持ち、しかも「若くてイケメン」な和楽器奏者たちが集結した10人組、「桜men」。2017年にデビューし、翌18年には現在の10人編成となった彼らが、満を持して1stアルバム『華の大演舞会』を完成! これからの活躍にも期待が集まるメンバーに、メールインタビューでいろいろお聞きしました。アルバムのことだけでなく、和楽器ならではの苦労などもガッツリ語っていただいてます!

10人のパフォーマンスが最大に発揮された、待望の1stアルバム!

──まずはお一人ずつ、自己紹介と担当楽器をお願いします。

中村 尺八、篠笛を担当しています、リーダーの中村仁樹です。

古里 和太鼓担当、タンクトップこと古里祐一郎です。冬のリリイベなどで衣装が常にタンクトップだったことから、この呼び名です。世界を和太鼓で変えたいと思っています。

KIJU 津軽三味線担当のKIJUです。

大川 箏担当、大川義秋です。ファンの皆さんからは、「よっちゃん」と呼ばれています。

佐藤 尺八と篠笛という楽器を演奏しております、佐藤公基と申します。よろしくお願いいたします!

本間 箏担当の本間貴士です。よろしくお願いいたします!

匹田 津軽三味線を担当しています、匹田大智です!!

花原京 和太鼓担当、花原京正です。花原秀正の実の兄で、みんなからお兄ちゃんと呼ばれています。桜menの和太鼓担当、古里祐一郎、花原秀正、花原京正の3人による「和太鼓パフォーマンスグループ無限」のリーダーもしております。

花原秀 和太鼓を担当してます、花原秀正です。

暦 ボーカルの暦です。

──今回、10人編成になって2年で1stアルバムリリースとなりました。それについてはどんな気持ちですか?

中村 ついに! 温めて温めて、驚きをもって聴いていただけるアルバムが完成したなと思います。

古里 僕らの2年をこのアルバムに詰め込みました。僕らの「濃度」を感じてください。

KIJU みんなで初めて形として作り出せたものなので、うれしいです。

大川 全員で一つの形を作れたことがまず第一にうれしいです。和楽器だからこそ届けられる深みと繊細な音色とボーカルのハイトーンボイスが融合した瞬間が、今回音源としてもたくさんの方に届くと思うと大変うれしいです。

佐藤 皆が納得いくまで作り上げた自信あるアルバムです。ぜひたくさんの方々に響いてくれたらと思ってます。

本間 私は後から参加したメンバーですが、参加させていただいてから様々なオリジナル曲が創り上げられていったので、それらがまとまったこのアルバムは自身との歩みのような存在に感じられて、感慨深いです。しみじみしています。

匹田 いよいよ、始まるな!!という感じです(笑)。桜menとしていろいろな活動と並行してずっとアルバム制作を進めていたので、完成した時の思いはひとしおでした……。多くの人に届きますようにーー!!

花原京 待ちに待った1stアルバムリリース。やっとこの日を迎えることができた!という喜びの思いで胸がいっぱいです。メンバー全員のよさが詰まった渾身のアルバムとなっておりますので、1人でも多くの方々に聴いてほしいです。

花原秀 今できるメンバーそれぞれのパフォーマンスを最大限に発揮できてるアルバムになっていると思います。グループとしては10人編成になってまだ2年しか経っていないので、これからの桜menのポテンシャルと一人一人のポテンシャルの幅をどう広げていくのか、楽しみな期待ができる”出発”に相応しい楽曲がたくさん集まってます。いろんなジャンルの音楽が詰まっているアルバムなので、いろんな角度から音楽を楽しんでもらえるし、これからどんな道をグループが歩んでいくのか、個人的に楽しみです。

暦 うれしいです!! 桜menの音楽をアルバムという形にしてファンの皆さんへ届けられることは、本当にうれしく思います! ファンの皆さんがこのアルバムを聴いてくれているのを想像して今からわくわくしてます(笑)。

十人十色の「イチ推し曲」と「聴きどころ」は?

──そのアルバム『華の大演舞会』収録曲の中から、お一人1曲ずつ「イチ推し」の曲を挙げていただき、解説をお願いできますか?

中村 「桜並木の続く丘で」です。幼い頃に見た故郷の満開の桜と、切なく暖かい思い出がリンクするように書きました。

古里 あえての「千本桜」ですね。桜入ってるし(笑)。これまで和楽器アレンジをけっこうされてきた曲なんですけど、この桜menの千本桜は漢気を感じる仕様になっているかと思ってます。

KIJU 「イザナイ」という曲です。24歳の時に制作した曲で、たくさん思い出があります。桜menのアルバムの中にメンバーのアレンジで最高の形でたくさんの方々にお届けできるのがとてもうれしいです。

大川 箏の二重奏「花神楽~煌めきの箏曲~」ですね。この曲は何と言っても箏の掛け合いがそれぞれの個性が出ており、ぶつかりながらも絡み合っていく箏ならではの雅さを感じる曲になっています。実は、アルバム発表前の昨年12月、イベントなどで桜menとして演奏したのですが、その頃は「箏01」というタイトルで、まだ正式タイトルが決まっておりませんでした。

佐藤 全曲!と言いたいところですが…尺八二重奏の「風の旅人」です。リーダーの仁樹さんのオリジナル曲なのですが、風を感じて彷徨う様が感じられる素敵な曲です。仁樹さんに必死で食らいつく僕にもご注目ください!

本間 「桜色のドーム」です! この曲は新体制になった頃からライブで演奏を始めたのですが、この曲に関しては譜面がないのです。なので、担当したメンバーが思い思いに音を紡いで形になっていきました。そして、レコーディングではリーダーと収録メンバーでこうしよう、ああしようと打ち合わせしながら完成したものなので、思い入れが深い曲となりました。

匹田 僕は「疾風迅雷」を推します!!!!(笑)この曲は、やはりサビで登場するこよみんの歌声が気持ちよすぎてやばいっす!(笑)こよみん!!ありがとう!!!!って感じ(笑)。楽曲的にもすごく難易度が高いしテンポも早い。サビの尺八も最高なのでぜひ!!

花原京 「打打打~無限和太鼓~」です。この曲は「和太鼓パフォーマンスグループ無限」の一番最初の曲で僕が作曲した曲なんです。これまで無限の活動をしていく中で無限の歴史とともに何度も演奏され、時代に合わせてメンバーでアレンジも加えながら形を変えつつ今も演奏している思い入れに愛着のある大切な曲です。今回この曲に桜menのリーダー仁樹さんに音を重ねて頂き、創造を超えた新たな可能性と世界観を見出す事ができました。アナログとデジタルが何の違和感なく交ざり合う。聴いていくにつれて熱くなっていく男気溢れる作品です。

花原秀 僕は「疾風迅雷」です。激しさと儚さが混同し合い、ミステリアスな世界観を表現し、奥深い壮大なスケール感が感じられる、何とも味わい深い一曲です。恐怖の中に存在する人間の隠せない温かい感情が心に響く、全く新しいバラードのあり方のような、優しさが詰まってる楽曲です。重低音でメタルを思わせるスピードの威圧感から一変して、柔らかさの出る和楽器特有の音でゆったり優しく包み込むギャップがたまらない、そんな一曲です。

暦 4曲目に収録されている「桜色のドーム」ですね。言葉に寄り添い感情を伝えるメロディ、歌詞に込められた想いを強く感じます。目を閉じて聴くと、きれいな桜色のドームが浮かび、目の前を桜の花びらが舞っていくのを感じられます。歌に寄り添い景色を作り出す箏の音色が、とても心地よい感動的な楽曲に仕上がっています。ぜひ目を閉じて心のままに聴いていただきたい1曲です。

──ご自分のパートについて、アルバムの中で「この曲のココ!」という一番の聴きどころを教えてください。

中村 「紅」のソロの極限まで速いフレーズから、限界まで高い音に駆け上がりきる瞬間の音です。

古里 「桜花繚乱」の和太鼓3パートの一瞬の掛け合い!!

KIJU 「桜花繚乱」で僕はBASS三味線という限りなくベースのような三味線を弾いています。曲中ベースや三味線に負けないようにたくさん主張しているので、ぜひ耳を凝らして何度も聞いてください。

大川 「疾風迅雷」ですね。私は普段、ほのぼのとした曲が好きで聴いてきたのですが、この曲の仮サンプルを聴いたときは体に電気が走ったかのように震えました。Aメロに入るまでの箏の音符が激しさと力強さと超絶技巧が詰まっておりますので、ぜひお聴きください。

佐藤 これも「風の旅人」です。

本間 「花神楽」は箏をピックアップした楽曲で、お互いのソロはレコーディング中に何度も何度も録り直してできたものです! その頑張りをぜひ聴いてください! それから「紅」のソロと、何と言っても前奏部です! 一番が多くなってしまいました…(笑)。

匹田 そうですね~~、自分のやつね(笑)。他の楽器だとすぐ出てくるんだけど……(笑)。そうだなぁ~どの曲もそれぞれの楽器がフィーチャーされる瞬間があって、そこでのフレージングや歌に寄り添うアレンジは聴きどころですかね!

花原京 僕は和太鼓以外に掛け声も担当させていただいており、「打打打~無限和太鼓~」の中盤に流れる「オォーーーーー!」からの激しい打ち込みは絶対聴いてほしいです。

花原秀 「紅」の、原曲ではYOSHIKIさんが叩いているドラムソロ部分ですね。音が重なっているので聞き取りづらいかもしれませんが、和太鼓で完全に再現してます。

暦 6曲目に収録の「不夜城のカラス」の、低音から始まって、サビで突き抜ける高音の歌ですね。歌詞の切ない感情を爆発させたような、そんな力強さと儚さとハイトーンが混在しているので、ぜひ爆音で聴いて、楽曲の世界を堪能していただきたいです。

破れたり割れたり……和楽器特有の知られざる苦労とは?

──初のカバー曲「紅」について、この曲を選んだ経緯と、演奏してみての印象を教えてください。

中村 青春ど真ん中、仲間とギターでカバーしていた伝説的なソロを、尺八を吹き始めた頃からチャレンジしたいとずっと思っていました。まさかこんな想像を絶するほど難しいとは……(笑)。

古里 音楽やってたら1度はやってみたい曲ですよね。とにかくドラム、YOSHIKIさんの高速テクはヤバイっす。それをあえて3人でパフォーマンスありで仕上げたので、筋肉切れるかと思いました(笑)。血と涙と汗の結晶です! ヘビロテしてください!!

KIJU ABサビといういわゆる王道ではない楽曲構成でオリジナリティと自由を感じる曲と感じました。和楽器の音が映える楽曲だなと思いました。
例えば、イントロのセクションは今回はお筝がメインにアレンジしてあり、雅な雰囲気でマッチしていました。メインのセクションでも尺八が歌い、和太鼓がドラムを超えて、三味線がギターと競り合うかのような、洋楽器との激しいぶつかり合いが見どころのアレンジに仕上がりました。

大川 私が生まれたのが1995年のため、X JAPANさんを実際に生で見ることができなかったのですが、小さい頃から耳にしてはいた曲で、いい曲だなぁとずっと思っておりました。ですが、まさか和楽器でやる日が来るとは思っておりませんでした。さすが、神曲。初めは全く弾けなかったのですが、練習すればするほどこだわりがたくさん詰まっていることに気づき、改めてX JAPANさんの偉大さに気づきました。

佐藤 「紅」を実際演奏して感じたことは、いつまでも色褪せることなくどの時代でもかっこいいサウンドはかっこいいんだなと感じました。それが洋楽器だろうと和楽器だろうと関係ないくらい曲の力がすごいんだなと……。カヴァーさせていただきありがとうございました。

本間 最初提案が出た時は「和楽器でいけるのか!?」と思いましたが、それぞれ楽器メンバーが2人以上いるのでパートを割り振ったり、弾き分けたりを思考思案しているうちに、「これはできるな」と確信に迫った時はワクワクしました。いざ演奏してみると、ギターで演奏するより箏で演奏した方が楽なのでは……と思うようになりました(笑)。

匹田 カバー曲に関しては、メンバーをはじめスタッフのみんなとずっと会議はしていて。最終的には、我らがPの提案により、この伝説の一曲でみんな一丸となって挑もう!となりました。

花原京 桜menのプロデューサーを筆頭にメンバー、スタッフみんなで協議に協議を重ねた結果、全員一致でこの曲に決まりました。メンバーそれぞれの技量やビジュアル、音楽の好みやスタイルなどから「紅」に辿り着きましたが、正直実際の演奏はかなりの苦難を強いられました。あの高速かつ高い演奏技術の再現、絶望感も感じましたが、誰一人諦めたり、後ろ向きになるメンバーはいませんでした。演奏させていただいたことでさらにX JAPANご本人様に対するリスペクトの念が強くなりました。

花原秀 桜menのプロデューサーの提案で「紅」をカバーすることが決まり、楽曲が素晴らしいことはもちろん承知していましたが、今回演奏してみて楽曲の構成・フレーズまで知ると、感動が格段に上がりました。僕はYOSHIKIさんのドラムパートを演奏させていただきましたが、まず和太鼓とドラムスの違いは大きく、YOSHIKIさんのフレーズを和太鼓で再現するのは不可能な箇所が多々ありました。打楽器隊で試行錯誤し、やっとのことで楽譜に起こしましたが、いざ演奏する際に和太鼓でドラムスのリズムを打つのは体力的にかなりハードでした。僕が上裸なのはそのせいです(笑)
ただ、紅を演奏させていただいて、自分自身の和太鼓レベルが10くらいアップしたと思います。

暦 カバー曲については、これまでに何度も会議をして候補曲を集めてきましたが、最終的にはプロデューサーからX JAPANさんの「紅」で和楽器の限界に挑戦したいと提案をいただき、決まりました。実際に歌ってみて、本当にエモーショナルでかっこいいと思いました。歌っていて鳥肌が立つほどのハイトーン域かつ力強く感情を感じるメロディと歌詞。X JAPANさんはやはりすごいと改めて感じました。

──和楽器ということで、楽器の管理や運搬、日頃の練習などといった面であまり知られていない苦労もあるかと思います。普段気をつけていること、思わぬ事態などのエピソードがあったら教えてください。

中村 尺八は、真冬にすごい音を立てて楽器が割れたりします。なので乾燥に気をつけ、大事に大事に扱っています。

古里 とにかく太鼓は運搬が1つの重労働。搬入で汗かきます(笑)。それと楽器のパワーがすごいので、油断してると打てません。和楽器全部、自然の材料をいただいているので雨や湿気が大敵。でも和楽器奏者は雨男が多いんですよね(笑)。

KIJU 三味線は、本番前日や本番にケースから出してみたら、皮が平然と破れていることがあります。これは自然現象6割、自己管理が1割、運が3割、の原因で、起こります。そのため、プロの方々は三味線を常に2丁持ち歩いたり、胴のスペアを持ち歩きます。僕は荷物を減らしたいのでこの問題を人工皮で解決しました。自然に破れることはないので安心です。

大川 箏は見かけに寄らず10kg前後ありますので、運搬の際に筋肉が必要になります。なので、細身に見えますが、地道に筋トレをしています。

佐藤 尺八と篠笛は乾燥に弱いので、冬場や海外に行く際はとても気を遣います。竹で作られているため、乾燥しすぎると割れてしまうので、油を塗ったり部屋に加湿器を置いたり対策はしています。一度、本番前日に割れかけて、すぐに直しに尺八工房にかけこんだこともあります……。

本間 箏の運搬は基本的には台車に括り付けて移動しているので、電車にもその状態で乗ることもしばしばですが、階段しかない駅のホームや地下鉄等では、いつも思わぬ事態に脅かされています……。過去に、二十五絃箏と十七弦を二面同時に運んだ時、まさかの階段しかない駅で、もう生き倒れるんじゃないかということがありました。

匹田 津軽三味線は、とにかく湿気に弱くて、その管理をひたすらに行います! 梅雨の時期は毎日ビクビクです(笑)。音霊のイベントに出演した際は、本番中にKIJUの三味線の糸巻き(ギターでいうペグ)みたいなものが折れちゃって(笑)。ただでさえ三本で弦数が少ないのに、お前そのまま二味線で大丈夫か?!?!みたいな(笑)。

花原京 皆さんが想像される和太鼓は、一般的に宮太鼓もしくは長胴太鼓と言われる、木を丸々くり抜いた胴に皮が張られたものだと思います。この楽器は他の和楽器と比べるとかなりタフで、少々では傷みませんし、皮も特別なことがない限りは何年も使用できます。ただ難点なのは重量。まず女性が一人で持ち上げることは不可能でしょう。サイズや木の種類によっては男性二人でやっと持ち上がるものもありますし、大太鼓と言われる、皮の直径が90㎝を超えるものは専用の機械で上げ下ろしをしないといけないので、運搬がとにかく大変です。本番前の運搬で力を使い切り、ゲネプロで本気で打ち、いざ本番でヘロヘロになる……という失敗は、太鼓打ちなら一度は経験すると思われます。

花原秀 まず和太鼓は非常に重たいです。大体10kg~20kgで、それ以上の重たさのものも当然あります。そして太鼓の皮は、気温の変化によって音が変わります。なので今日鳴る部分を見つけるのもけっこう大変です。

──暦さんにお聞きします。このグループ、編成の中で歌うことについて、特に気をつけていることは?

暦 やりすぎないこと、ですかね(笑)。ずっとロックバンドでボーカルをしてきて、全身全霊全力全開で歌うスタイルが染みついているので、和楽器の繊細な音色と共鳴できるように、ロックバンド編成の時より身体の力を抜いて感情で歌うという感じです。

真夏のフェス、MV撮影……あの瞬間が忘れられない!

──10人という大人数で大変な部分はありますか?

中村 個性がぶつかり合う荒波と、スケジュールです(笑)。

古里 和太鼓はイメージ通り音が大きいので、他の楽器や、ボーカルとの音量バランスは難しいです。あとは広いステージがいいな!(笑)

KIJU 大人数なのでスケジュールの管理、会議のまとまり、などは大変です。しかしながらたくさんのカラーがあったり、それぞれを助け合ったり、魅力的な部分の方が多いかなと思います。

大川 ご飯や打ち上げの時、とにかくいい意味で収集がつきません。しかも、メンバーにツッコミ担当が1、2人しかいなく、みんなボケに走り、毎回桜の宴会のような盛り上がりです。

佐藤 10人集まると、様々な意見・考え方があるので、一つにまとめるのに時間がかかる時もありますね。いいところでもあるのですが。ただその話し合いは絶対的に必要なことだと思うので、引き続きしていきたいと思ってます。嘘みたいに意見が早くまとまる時もあるので楽しいです(笑)。

本間 やはり、全員集合できる日が限られてしまうことでしょうか……。各々の活動もあるので、全員集合はけっこう奇跡的な割合です!

匹田 控室や移動中、とにかく部室みたいなノリで騒がしいところですかね(笑)。

花原京 リハーサルにしてもゲネプロにしても、サウンドチェック&音のバランス調整にとにかく時間がかかるので、実際の音出しまで時間がかかります。桜menは音楽としてはもちろん、パフォーマンスにも力を入れていて、特に和太鼓担当メンバーはパフォーマンスエリアをなるべく確保したいんですが、10人と大所帯なので渋滞が起きます(笑)。

花原秀 キャラが被らないようにすることです。

暦 移動ですね。楽器もありますし、現場への移動が大変です。それと楽屋ですかね。人数が多いので狭い楽屋だと本当に大変です(笑)。男10人で狭い部屋にいると、部室みたいな感じになります(笑)。

──ここまでの活動で一番印象に残っているのは?

中村 「紅」のREC、MV撮影です。和楽器には不可能なことを、10人で成し遂げました。

古里 10人で立った「音霊SEA STUDIO 2018」ですね! 夏の暑さに僕らの熱さが勝ったひと時でした。

KIJU 初めてメンバーとしたライブです。

大川 MV撮影ですね。今回、DVD付のアルバムの方には「桜花繚乱」のMVが入っているのですが、その頃は全員に会うのは3、4回目くらいで、少し距離もあったんです。でも撮影終わりには心がつながった一体感があり、その瞬間が一番印象的です!

佐藤 一番印象に残っているのは、10人初顔合わせの時です。全員と会うのは初めてだったのですが、その日のうちにいい意味で打ち解けられて、これからの桜menとしての活動が楽しみになったことを鮮明に覚えてます。

本間 a-nationや「音霊」での夏のライブは印象深かったです。男10人でリハやら車での移動やらと、なんか青春感がありました(笑)。

匹田 とにかく、10人みんな元気がいいし、毎回毎回何かしら起きるので全部が濃いのですが……(笑)、「紅」のMV撮影は、今も鮮明に記憶に残ってますね! とにかく、早朝から深夜までみんなで走りきったな!という。超タフな1日でした!!

花原京 やっぱりメンバー全員でのLIVEです。桜menはボーカル以外、各担当楽器に2人以上の編成で、尺八2人、津軽三味線2人、箏2人、和太鼓3人の編成なので小編成での稼働も可能で、実際によくあります。でも、やっぱりメンバー10人揃った時の迫力はものすごいですし、何より楽しいです。やっぱこれだなって感じです。

花原秀 2018年9月に出演した「音霊SEA STUDIO 2018」のフェスですね。メンバーのライブパフォーマンスを初めて知れた印象が強く残っています。

暦 やっぱり「紅」カバーのMV制作ですね。レコーディングの時点からとても大変でしたが、MV撮影は早朝から深夜までの長丁場で、まさに文字通りメンバーと同じ釜の飯を食べ、苦楽をともにした本当に大変な撮影だったので、強く印象に残っています。

──海外での活動も多くされていますが、特に印象に残るエピソードは?

中村 国家非常事態宣言が30年間出続けているアルジェリアで、アンコールの熱冷めやらない大興奮の客席にダイブしたことです。

古里 日本人の入国も珍しいとされていた、「マケドニア」での和太鼓演奏。最後は言葉の壁を越えて僕らのパフォーマンスにスタンディングオベーションが起きました。

KIJU ご縁があり何度もインドネシアで公演を行ったことです。

大川 私は2019年にパリとドイツに演奏に行きました。各メンバー海外経験が多いことから、各国による曲の好みの反応の違いや、盛り上がった演奏の見せ方などを話し合うと、知らなかった世界が見えてきます。特に印象に残っているのは、パリの空港で、箏を楽器として預けていたのに、スーツケースと同じレーンで流れてきたときが衝撃的でした。

佐藤 海外での演奏をさせていただくたびに感じるのは、日本の楽器である「和楽器」と聞くだけでこんなにも興味を持ってくれて真剣に音楽を聞いてくれるんだ、ということです。和楽器をやっててよかったなと心から感じます。

本間 リーダー中村仁樹さんと二人きりで行った、カナダとアラスカですね。7月だったので、本来であれば涼しく寒すぎない時期なはずだったのですが、まさかの50年に一度の異常気象で、日本の夏より暑かった……。帰りのベーリング海峡からは極寒で、自然の驚異を目の当たりにしました。

夢の舞台……「あのステージ」に立ちたい!

──現在、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められている中、どのように過ごされていますか? 個人、あるいはメンバー間でやっていることがあれば教えてください。

中村 絶句するようなテクニックのソロを練習していて、そうするとあっという間に1日が過ぎていきます。ある意味とても有意義です。

古里 自炊! でも無限に食べれちゃうので献立をしっかり決めてます。後はドラムで使うパッドなどで、バチのコントロールが衰えないようにしています! メンバー間ではインスタライブやっているので、ぜひ遊びに来てください!

KIJU 外食をしなくなり、自炊がメインになりました。節約で豆苗を育てています。

大川 私は個人youtubeに箏独奏カバーを毎日投稿しております。辛い思いをされている方に少しでも癒しの時間をお届けしたいと思い、しっとりと、たまには少し盛り上がれる曲などを投稿しております。

佐藤 家にいてできることもたくさんあるんだなと思いました。ただ、やはりファンの方々と直接会って、生音でコンサートをお届けしたい想いも日々高まっております。早くその日が来ることを願って、自粛生活も全力で楽しんで過ごします!

本間 作曲や勉強をしています。作曲する際はピアノを弾くことが多いので、ピアノ弾いたり、ギター弾いたり、箏弾いたり、三味線弾いたりという日常です。メンバーとはオンライン飲み会を楽しんでいます!

匹田 自粛はもちろんですが、過剰になりすぎず、うまく付き合っていくことが、自分にとっても適切だと思っているので、もちろん諸々に配慮しつつ、日課のワークアウトは欠かしてないですね! あとは、動画配信サービス見まくってます(笑)。

花原京 個人的には、毎朝晩にストレッチとトレーニングや家でできるリズム練習を始めました。また、皆様に少しでも元気や笑顔のお届け、運動不足の解消になればと、トレーニングの動画配信も始めました。桜menでは公式インスタライブ配信「桜だより」もスタートし、皆様に楽しんでいただけるツールをお届けしています。

花原秀 個人的には実際の和太鼓が打てないので、一日一回は最低限バチで素振りをするようにしています。あとは曲作りですかね。

暦 とにかく「外に出ない」を徹底しているので、室内でできるトレーニングを工夫して行っています。また免疫力も下げないように、免疫向上効果のあるハーブティや乳酸菌なども積極的に摂るようにしています。

──今後、どのように活動していきたいと思いますか? また、特に目標としていること……立ちたい舞台や共演したいアーティストなどがあれば教えてください。

中村 マジソンスクエアガーデンでライブ出来れば最高です。和楽器だから掴めるチャンスに、全てトライしていきたいです。

古里 やっぱり武道館でしょ! 絶対立ちたいです。そのためにはコレを読んでいるそこのアナタ!の応援が必要です。よろしくお願いいたします!

KIJU 自分らしさと出したい音を、たくさんの方々に届けていきたいです。

大川 桜menは演奏ができるだけでなく、個人個人が権威のある賞を得ていたり、ルックスや、他の和楽器奏者にはない豪快かつ繊細なパフォーマンス能力を持っております。そのため、私はこの桜menとして、「桜menを観れば、悩み吹っ飛んだ!」と思ってもらえるようなライブをしていきたいです。そして、私は衣装やイラストレーターでデザインをするのが得意なので、桜menのワンマンライブがあった際はグッズプロデュースをしたいです! クラシックの王道カーネギーホールに立てるだけの雅さを持ち、ワンマンライブを世界でできるよう、これからも精進していきます!

佐藤 「メジャーデビューしたい!」って夢がずっとあったのですが、それは叶えることができて本当にうれしいです。あと「武道館でコンサートしたい!」という昔からの夢があるので、実現したいです。いや実現させます! よろしくお願いいたします!

本間 自身での活動思念を大切に抱きつつ、桜menに還元できたらと思っています。和楽器の世界(私たちはそれを邦楽と読んでいます)を代表する諸先生、諸先輩方は常に目標ではありますが、私たちも目標になれるような存在になっていきたいです!

匹田 味の素スタジアムの景色が忘れられなくて……。桜menとしてもっともっと成長して、またあの場所に立ちたいです! ワンマンで!! そして応援してくれるファンとともにその景色を見たい!!!

花原京 まずは桜men武道館LIVE。大きな会場で桜menの生演奏をたくさんの方に届けたいですし、全国ツアーもしたいですね。紅白にも出演したいです。

花原秀 桜menとしては、やはり武道館に立ちたいですねぇ。メンバー全員思っているはずです。
個人としては和太鼓でハードロックやメタルのジャンルに果敢に挑戦していきたいですね。

暦 今後はライブ経験を積んで、ライブの最初から最後までワクワクしながらお客さんに楽しんでもらえる、桜menにしかできないステージ演出とパフォーマンス、そして楽曲を作り上げていきたいです。また、海外にも積極的に行きたいと思っています。海外の方を日本の和楽器でエンターテインしたいと思います。立ちたい舞台は、日本武道館です。メンバーとあのステージに立つこと、そして武道館の景色にファンの皆さんを連れていきたい。そう強く思っています。

NEW ALBUM『華の大演舞会』

2020.05.13 ON SALE

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記事情報

高崎計三

ライター

高崎計三

1970年2月20日、福岡県生まれ。ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て2002年より有限会社ソリタリオ代表。編集&ライター。仕事も音楽の趣味も雑食。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)。